Jリーグ30年のベストイレブンは誰か? 長年ピッチを取材してきたベテランジャーナリストたちが選んだ11人 (2ページ目)

【プレースキックやパスで魅せた中村俊輔ははずせない】

後藤健生(サッカージャーナリスト)

この記事に関連する写真を見るFW/三浦知良、中山雅史、家長昭博 
MF/中村俊輔 
MF/名波浩、遠藤保仁 
DF/長友佑都、井原正巳、松田直樹、酒井宏樹 
GK/楢﨑正剛

 選手の能力という面だけではなく、30年にわたってさまざまな意味でJリーグを盛り上げてくれた選手を選んだ。

 カタールW杯の時に社会現象を引き起こすのに一役買った"ブラボー"長友佑都や、今でも一般社会では最も有名なサッカー選手である三浦カズなどがそうだ。たとえば、中田英寿は欧州に渡ってからが全盛期だった選手であって、「"J"を沸かせた選手」ではない。

 だから、一つの基準は「全盛期をJリーグで過ごした選手」ということになる。長友や中村俊輔、酒井宏樹は海外で過ごした時間も長いが、若い時期あるいは晩年にJリーグでその力を発揮してくれている。

 GKとしては日本代表でもポジション争いを繰り広げた楢﨑正剛と川口能活の争いになるが、楢﨑がJリーグでキャリアを全うしたことと、天皇杯を含めて国内タイトルを数多く獲っていることから楢﨑を選んだ。

 井原正巳はJリーグ初期の守備の要。そして、松田直樹はその類まれな身体能力と人間性で今でも慕われている伝説的なDFと言える。

 中盤は人材が豊富で、ここで選出した3人以外にも小笠原満男や小野伸二、中村憲剛、遠藤航などもぜひ選出したいところだが、実績を考えればジュビロ磐田の全盛期を支えた名波浩、長くJリーグでプレーを続けた(続けている)遠藤保仁、そしてプレースキックやアイディア溢れるパスで魅せた中村俊輔ははずせない。

 最前線は通算得点記録1位の大久保嘉人や2位の興梠慎三、3位の佐藤寿人を差し置いてゴン中山を選んだ。強引に相手DFに襲い掛かっていく迫力あるドリブルでの仕掛けは中山にしかない魅力だろう。メディアへの露出もプラス材料だ。

 三浦カズはゴールゲッターのイメージも強いがもともとは左のウィンガー。あの「またぎフェイント」を駆使したドリブルが最大の魅力だ。右SHも悩んだが、晩年になって圧倒的なボールキープ力を生かして川崎フロンターレで輝きを増している、家長昭博を選出した。

 監督は、やはりオシムさんにやってもらいたいなぁ。

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