ステップアップ中の藤田譲瑠チマ。プロサッカー選手としてヴェルディ時代に影響を受けた3人 (3ページ目)

  • 会津泰成●文・写真 text&photo by Aizu Yasunari

【恩師が贈る藤田へのエール】

 この取材のあと恩師である永井に、藤田について聞く機会があった。永井は「トップチームに昇格してからも成長のスピードはずば抜けていました。高校2年生まではBチームで、試合に出られない時期から、誰よりも真剣に話を聞いて戦術を理解しようと努めていました。頭と身体が一致し、思い描くイメージをプレーで表現できるようになったように思います」と話した。

 ちなみにヴェルディ時代、シーズン開幕前のキャンプで大久保と同部屋にしたのは、一流選手のあるべき姿を肌で感じ、世界基準の考え方を学ばせる狙いがあったそうだ。

 昨シーズン、神戸でF・マリノス戦の時に話す機会があったそうで、その際、A代表に選ばれたことを祝福すると、「いや、自分はまだまだです』と答えたそうだ。その言葉を聞いて永井は、ユース時代から常に「世界基準でサッカーを考えるように」と言い続けてきた愛弟子の変わらない謙虚な姿勢と成長を感じ、うれしく思ったそうだ。ユースのBチームだった頃から成長を見守ってきた永井は、今の藤田に対しては、「A代表の中心選手になることはもちろん、海外のビッグクラブでも活躍できるような選手になってほしい、いや、必ずなれると信じています」とエールを贈った。

Profile
藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえるチマ)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ポジションMF。身長175cm、体重76kg。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、東京ヴェルディ下部組織を経て、2019年9月にトップチームデビューを果たす。2021年に徳島ヴォルティスに完全移籍、2022年から所属する横浜F・マリノスでは2シーズン目を迎える。昨年、E-1選手権で初めてA代表に召集された。

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