横浜F・マリノス、川崎フロンターレの2強を脅かすのはどこか。福田正博が注目する、2023年Jリーグで巻き返しを図るクラブ (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

【気になる関西勢の奮闘】

 優勝争いから遠ざかっている点で言えば、ガンバ大阪にも頑張ってもらいたい。

 今季は昨季まで徳島ヴォルティスの指揮官だったダニエル・ポヤトス監督を迎えた。スペインのエスパニョールやレアル・マドリードでのユース年代の指導経験が豊富なポヤトス監督が、低迷するG大阪をどう変貌させるのかは楽しみなところだ。Jリーグのなかでは能力の高い選手が揃うチームなだけに、新監督の指導がフィットすれば結果はすぐに出る可能性もあるのかなと思う。

 関西勢で言えば、セレッソ大阪が昨季の勢いをどう昇華させてくれるかも楽しみな点だ。昨季は小菊昭雄監督がプロ選手としてのキャリアを持たない指揮官として注目されたが、今季は監督3シーズン目。能力も経験値もある選手は揃っているし、若手にも楽しみな逸材はいるだけに、勝負にこだわってシーズンを戦い抜いてもらいたい。

 サンフレッチェ広島は、ミヒャエル・スキッベ監督のチームマネジメントがどう出るのか気になっている。昨季のスキッベ監督は、選手たちにピッチ外でも自由を与えて伸び伸びとやらせたのが奏功して結果につながった。

 ただ、これが通じたのは前任者との対比で変化があったからという側面もある。スキッベ監督の率いたチームの成績を振り返ると、初年度がもっとも成績を残し、そこから下降線をたどって3年目あたりでチームを去っているケースが多い。

 当然ながら、そうした監督を招聘したのをクラブも理解しているはずで、狙いは必ずあるはずだ。それだけに自由にやることに慣れた広島の選手たちが、今季はどういう戦いをするのかはしっかり見ていきたい。

 浦和レッズは、3年前に立てて実現できなかった計画からスケールダウンした目標を掲げている。リカルド・ロドリゲス監督は就任2年で去ることになったが、それほど悪かった印象はない。監督の仕事は責任を取ることも含まれるが、監督だけの責任だったわけではないだろう。

 Jリーグが盛り上がるためには、日本でもっとも熱いサポーターのいる浦和の躍動は不可欠だ。ポーランド出身のマシエイ・スコルツァ監督がどういうサッカーを志向するかはまだわからないが、選手の動向もふくめて今後は興味深く追っていきたい。

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