「レギュラークラスが20人」高校サッカー・前橋育英がベスト8進出。選手層の厚さで、攻守に相手を圧倒する戦いぶり (3ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【隙のないチームに仕上がった】

 夏のインターハイで優勝を果たしてからは、相手に研究されて思うようにプレーができずに苦戦。夏休みの遠征でも仲間同士でぶつかり、プレミアリーグ再開後もなかなか状態が上向かずに3連敗を含む5戦未勝利の時期もあった。

 それでも「陰でぐちぐち言うのではなく、面と向かって思いを伝え合うことでより絆が深まったと思う。逃げずにコミュニケーションを取り合えた」(徳永)ことで、チームは再び上昇気流に乗った。そして、隙のないチームに仕上がった。

 準々決勝で対戦する大津は粘り強い守備が特徴で、攻撃陣にはサイドに個で仕掛けられる選手が揃う。しかし、昌平戦で見せたような攻守で隙のない戦いが見せられれば、自ずと勝利はついてくる。優勝候補同士の大一番を制すれば、5年ぶり2度目の優勝もより現実的になってくるはずだ。

【筆者プロフィール】
松尾祐希(まつお・ゆうき)
1987年、福岡県生まれ。大学卒業後、サッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフユナイテッド千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

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