セレッソ大阪、そして日本サッカーの未来を担う18歳北野颯太。「日本をベスト8に導ける選手になりたい」 (3ページ目)

  • 森田将義●文 text by Morita Masayoshi
  • photo by Getty Images

【ワールドカップを見て悔しい気持ちも】

 高3になる直前の2022年2月にプロ契約をし、一足早くU-18は卒業。昨シーズンは主に交替の切り札としてJ1で19試合に出場したが、本人に満足した様子は見られない。

「トップチームの試合に出させてもらいながら、納得の行く結果を残せなかった。来シーズンは僕にとって2年目のシーズンになる。プロは結果の世界なので結果にこだわり、今まで支えてくれたみなさんに恩返しができるように頑張りたい」

 C大阪の森島寛晃社長が現役時代に背負った8番はチームのエースナンバーとなり、MF香川真司(シント=トロイデン)、MF清武弘嗣、FW柿谷曜一朗(名古屋グランパス)ら日の丸経験を持つレジェンドたちが受け継いできた。

 クラブは"いずれ北野が"との考えを持っているのは間違いない。北野自身もそうした偉大な先輩たちを強く意識している。なかでも同じアカデミー出身で、先日のワールドカップにも出場した南野は、ロールモデルとも言える存在だ。

「南野選手はリバプールやモナコなど世界の大舞台で活躍されている。すごく憧れる存在ですが、憧れているだけでは追いつけない。追い越す勢いで自分ももっともっと活躍しないといけない。すごく刺激を与えてもらっている存在なので、近い将来自分も世界に出て、C大阪のアカデミーの選手に僕が南野選手からもらったような刺激を与えたい。憧れられる存在になりたい」

「ワールドカップを見て感動すると同時に悔しい気持ちもあった。4年後に僕が出て、日本で初めてのベスト8に導けるような選手になりたい」。世界での活躍を見据える北野にとって、2023年は大事な年になるのは間違いない。強烈なインパクトを残した昨年以上の成績を残し、先人たちと同じ階段を登っていけるか注目だ。

【筆者プロフィール】
森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。

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