ジュビロ磐田は「クラブとして全然足りない」。選手は敗者の沼に陥り、自信を失っていた (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 期待された杉本健勇は完全に不発。ストライカー不在は深刻で、FWファビアン・ゴンサレスは契約の問題を抱え(タイのクラブと契約違反)、FIFAの裁定で磐田にも賠償金の支払いと新規選手登録の禁止処分が下されている(磐田は不服申立て)。また、守りも中心となる人材を欠き、人海戦術に頼るしかなかった。遠藤のプレーメイクは強みだったが、90分間、フルシーズンは無理だ。

 何より監督のシーズン途中での交代で、継続性も展望もなかった。過去10年、OB監督を甘やかせすぎたり、凡庸な外国人監督を引きずったり、じわじわとパワーダウンしてきた。それは強化の問題だ。

選手が「敗者の沼」に落ちるように自信を失い、不信感に苛まれるのも必然だった。

「今日だけの結果ではなく、今シーズンを通じての結果なので、非常に残念です」

 大勢の記者の前で、遠藤は言った。11月5日、最終節は本拠地に京都サンガを迎える。いつだって、終わりは始まりの合図だ。
 
 

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