アルビレックス新潟、横浜FCに続くのは? J1昇格プレーオフを巡る熾烈な戦いが展開中

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 J2は残り1試合となったところで、アルビレックス新潟の優勝と横浜FCのJ1昇格が決定している。次の興味は、どこがプレーオフ出場権を得るか。3位から6位がプレーオフに進み、1回戦、2回戦、そしてJ1の16位と決定戦を行なう方式だ。

 ファジアーノ岡山、ロアッソ熊本、大分トリニータの3チームは、すでにプレーオフ進出が決まっている。残るひとつの座を、最終節で徳島ヴォルティス、ベガルタ仙台、モンテディオ山形が三つ巴となって争うことになった。3チームは勝点1差でひしめき合っており、6位の徳島と8位の山形は直接対決となる。果たして、どんなドラマが待っているのか。プレーオフ争いの現状とは――。

 10月16日、仙台。第41節で、7位の仙台は4位の熊本を迎え撃っている。仙台のほうが切実な状況に置かれていた。熊本はすでにプレーオフ進出を決めていたが、仙台は負けた場合、道を断たれる可能性もあった。結果的に、そのメンタリティの差も序盤に出たか。

 戦力で上回る仙台は、2トップを中心に前線から激しく圧力をかけ、相手を押し込んでいる。局面で、単純な個人の力で上回った。前半4分、相手選手を引きつけてスペースを生み出すと、そのギャップに入ったFW富樫敬真がボールを呼び込み、完璧なタイミングですり抜けてファーへ蹴り込み、あっさりと先制に成功した。

ロアッソ熊本戦で勝ち越しゴールを決めたフォギーニョ(ベガルタ仙台)ロアッソ熊本戦で勝ち越しゴールを決めたフォギーニョ(ベガルタ仙台)この記事に関連する写真を見る「まずは2トップでしっかり前線の起点を増やして、という戦い方を準備してきました」

 9月から仙台の指揮を引き継いだ伊藤彰監督は、試行錯誤のなかで2トップを選んだと言う。

「熊本はボールポゼッション率の高いサッカーで、ショートパスで崩し、ロングボールをサイドに蹴り込むという戦いを織りまぜてくると想定し、それに対応することができました。前半は、前からのプレッシャーと、持った時の推進力で攻めることができた。ただ、決め切る力をもっと持たないと。後半は受けて立ってしまい、セカンドボールを拾えなくなって相手ペースに......」

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