高校サッカー夏のインターハイ総括。前橋育英、帝京、昌平ほか、冬の選手権で伸びてくるチームはどこか? (4ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文・写真
  • text&photo by Matsuo Yuki

青森山田の巻き返しはあるか?

 今大会思うような結果を残せなかったのが、青森山田と神村学園だ。

 昨季のチームが三冠を達成した青森山田は選手が大幅に入れ替わり、イチからのスタートでシーズン開幕当初から苦戦を強いられてきた。プレミアリーグEASTでは大量失点を喫するゲームも散見。「今年は難しい」と黒田剛監督も選手たちに奮起を促していた。

 そして、長期離脱をしていた、主将で昨季からレギュラーを務めるCB多久島良紀(3年)が、6月に復帰したことでチーム状態が上向きに。リーグ戦でも勝ち点を積み上げ、いい形で夏の全国舞台に入ってきた。だが、結果は初戦となった2回戦で帝京に逆転負け。昨季のような勝負強さはまだ身についておらず、冬に向けて課題を残した。

 同じく2回戦で姿を消した神村学園は、国内外のクラブが注目する高校ナンバーワンストライカー・福田師王(3年)と、C大阪入団内定のMF大迫塁(3年)を擁し、優勝候補の一角に挙げられていたチームだ。

 しかし、今大会前に新型コロナウイルスの感染拡大の影響でトレーニングが思うように行なえず、万全な状態で大会に挑めずに敗退。自分たちのスタイルが封じられた時にいかにして戦うかといった面や、守備陣の強度に課題を残しており、新たな選手の台頭を含めてさらなるチームの強化が必要だろう。

 今大会で結果を残したチームもいれば、期待に応えられなかったチームもある。もちろん、今大会に出場できなかった流経大柏(千葉県)や東福岡(福岡県)といったプレミアリーグ勢も、このまま引き下がるつもりはないだろう。未知なる新鋭校も虎視眈々と冬の活躍を狙っている。高校サッカー選手権まで約5カ月。若きサッカープレーヤーたちは冬の大舞台に向け、これからも走り続ける。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る