加地亮のJ1順位予想&全チームレビュー。2022シーズンの過密日程を駆け抜けるチームは? (4ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【攻撃面で難しいと見るチームもある】

 サンフレッチェ広島は昨季と戦力はほぼ変わらないが、ミヒャエル・スキッベ新監督のチーム作りは未知数。昨季は前線と中盤がうまく連動できず、いい形が作れていなかった印象だった。

 ジュビロ磐田は、ルキアンを引き抜かれた穴があまりに大きい。補強した杉本健勇、ジャーメイン良はタイプが全く違う。遠藤保仁を中心に自分たちのリズムでボールを持てたとしても、ゴール前で質の高さを出せる選手がいないとJ1では崩すのが難しい。

 フィニッシュのところでもうワンランク上の質が欲しい。また守備でもJ1のスピードとパワーに対応しきれるかが課題になるだろう。

 柏レイソルはドウグラス、小屋松知哉という前線の補強はいいが、放出の影響のほうが大きい。とくにクリスティアーノが担っていたところをどう補うかが課題になるだけに、昨年の得点力不足を解消できるか。

 曺貴裁監督2年目の京都サンガF.C.は縦に速いサッカーのクオリティを上げるための補強をした。ただ、メンバーを見るとJ1のトップで活躍した経験者が少ないという不安がある。

 最終ラインからのビルドアップがどこまでスムーズに運べるのか、すぐ奪い返されて逆にカウンターを受けてしまうようであれば厳しくなる。

 今季序盤の対戦カードを見ていくと、昨季の上位同士の対戦が多く、そこで潰し合って上位だったチームが中位、下位に行く可能性もある。カタールW杯開催の影響でスケジュールが前倒しになることもあり、ACL組はかなり厳しいだろう。

 過密日程による疲労やケガのリスク、コンディション不良はもちろん、海外渡航でコロナ感染のリスクも高くなる。そういった要素から、昨季とは順位がガラリと変わる可能性もあるかもしれない。

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かじ・あきら/1980年1月13日生まれ。兵庫県出身。滝川第二高校からセレッソ大阪に入団。その後、大分トリニータ、FC東京、ガンバ大阪でプレー。運動量豊富な攻撃的右サイドバックとして大活躍し、数々のタイトル獲得に貢献した。1999年ナイジェリアワールドユース準優勝メンバー。日本代表では国際Aマッチ64試合出場2ゴール。04年アジアカップ優勝。06年ドイツW杯に出場した。14年からはアメリカのチーバスUSA、15年からファジアーノ岡山でプレーし、17年に引退。現在は解説者として活躍中。

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