加地亮のJ1順位予想&全チームレビュー。2022シーズンの過密日程を駆け抜けるチームは? (3ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【G大阪はシーズン序盤の出来に注目】

 今季からガンバ大阪の監督に就任した片野坂知宏新監督は元々ガンバ大阪でのコーチ経験があり、当時の選手も残っている。お互いをわかっている選手が多いのは大きなプラス要素。補強を見てもベースは大分トリニータ時代の3バックになるだろう。

 守備の堅さを担保しながら、前線のタレントが生きる攻撃を落とし込めるか。その点で片野坂監督の手腕に期待したい。序盤の鹿島、浦和、川崎という3試合でどれだけ戦えるかが、今季のガンバを占うものになる。

 アビスパ福岡はルキアンというスピードを手に入れ、強度の高い堅守速攻がより切れ味を増すだろう。不安なのはカウンターだけで仕留められない場合で、遅攻での攻め手をどうするかが課題。

 昨季の序盤は勢いに乗って勝ち点を稼げたが、後半は失速気味だった。今季対策されるなかで、「ルキアンがいるから」という安心感が生まれないか懸念している。

 北海道コンサドーレ札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督5年目で戦い方は確立され、戦力はチャナティップが抜けたくらいで大きくは変わっていない。前線に興梠慎三を補強して、フィニッシュのクオリティをどう上げられるかがキーになりそうだ。

 守備の不安定さからシーズンを通して安定した戦いは難しいだろうが、攻撃力でどれだけ勝ち点を稼げるかだろう。

 サガン鳥栖にとって、昨季まで指揮を執った金明輝監督の退任、昨季の主力選手がごっそりと抜けた影響も相当なはず。

 とくに鳥栖のサッカーを知る中盤の選手がいなくなったことで、ポゼッションサッカーを継続できるかわからない。若手のいい選手は獲得したが、シーズンを通して計算できるかは疑問だ。

 清水エスパルスは昨季途中で平岡宏章監督に交代し、決して悪いサッカーはしていなかった。ただ、ハードワークをベースにしつつも後半に失速気味になる点や波があるのは気になる。

 新戦力では神谷優太や白崎凌兵、髙橋大吾などいい補強はできた。課題の攻撃面で、得点パターンをどれだけバリエーション多く出せるかに注目したい。

 湘南ベルマーレは、昨季36点という得点力不足を解消できるかどうか。例年と比べて戦力はほとんど抜かれなかったのは、山口智監督の存在が大きいだろう。

 永木亮太と米本拓司という、経験ある2人を獲得できたのは大きなプラス要素。いいサッカーをしながら、フィニッシュをどう改善するかにかかっている。

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