加地亮のJ1順位予想&全チームレビュー。2022シーズンの過密日程を駆け抜けるチームは? (2ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【ACL組は苦戦が予想される】

 FC東京はアルベル・プッチ・オルトネダ新監督に変わって、サッカーのスタイルの変化に時間はかかるかもしれない。ただ、前線のブラジル人トリオを中心に能力の高い選手を揃え、大きくは崩れないはず。

 昨季は失点の多さがネックとなったが、木本恭生、エンリケ・トレヴィザン、ヤクブ・スウォビクという守備の補強に成功。アルベル監督がチーム一丸となったサッカーを落とし込めれば、上位を狙える存在になり得る。

 セレッソ大阪は戦力が多数入れ替わったなかで、サイドバックの山中亮輔、毎熊晟矢はいい補強だ。一方でセンターバックの瀬古歩夢が抜けた穴を埋めきれるかはやや不安。

 元々持っている守備の安定感をキープしながら、新加入の中原輝、ブルーノ・メンデスがどう攻撃を活性化できるか。攻守の新戦力が噛み合えば面白い存在になる。

 横浜F・マリノスは、ACLの影響でシーズンを通して戦力をどこまでキープできるか、チアゴ・マルチンス、前田大然が抜けた穴をどこまで埋められるか。

 チアゴ・マルチンスが抜けた守備に関しては、エドゥアルドを補強し、畠中槙之輔もいるので盤石だが、経験ある選手が多数抜けたことで、リーグとACLを戦うためには不安要素がある。

 3年計画の3年目で、浦和レッズの今年にかける意気込みは相当なものがあるはず。ただ、前線が手薄な印象を受ける。キャスパー・ユンカーは昨季の移籍直後は得点を量産したが、今季は研究されて苦戦すると予想。

 昨季は相手にブロックを敷かれると攻めあぐねたが、今季もそこをどう打開するかが見えてこない。中盤に岩尾憲を補強したが、もっと選手のアイデア、コンビネーションが必要になってくる。

 ヴィッセル神戸はトーマス・フェルマーレンが抜けてビルドアップでの安定感、フィード能力という面で大きな戦力ダウンは否めない。さらにACLを戦う上で若手選手の成長が必須。扇原貴宏、汰木康也を補強したとはいえ、郷家友太たち若手がもう一皮剥けたい。

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