青森山田が備えていた「大成する選手」に必要な要素。100回目にふさわしい最強王者の誕生 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【中村憲剛と佐藤寿人も力説】

 松木は言う。

「キャプテンとか関係なく、みんな意見も言うし、聞く耳も持つ。本当に団結力がすばらしかったと思います」

「傾聴力」と「自己主張」は、「大成する選手」に不可欠な要素として、スポルティーバの連載で中村憲剛さんと佐藤寿人さんが挙げていたポイントでもある(※参照→「プロサッカー選手の成否を分けるものは何か? 中村憲剛と佐藤寿人の答えは実にシンプルだった」)。高校生でありながら、彼らにはそうした要素が備わっていたのだ。

 もちろん、フィジカルの強さや技術の高さなどが青森山田の強さの要因であるものの、こうした姿勢があったからこそ、4万人超の観衆が詰めかけた大舞台で「パーフェクトな試合」(黒田監督)を演じられたのだろう。

 重圧をはねのけ、リベンジを果たし、見事に3冠を達成した。節目の100回大会にふさわしい最強王者の誕生である。

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