坪井慶介のJ1順位予想。各クラブが上位進出するためのカギは? (3ページ目)
古巣である湘南ベルマーレも、個人的に期待したいクラブだ。ただ、大分と同じく主力流出があって厳しい。昨季は持ち前のハードワークが健在で、守備で大崩れすることはそれほど多くなかった。しかし、得点力不足に苦しんだ。2年目となる浮嶋敏監督が、自分たちの攻撃スタイルをどれだけチームに浸透させられるか。7年ぶりに復帰するウェリントンの仕事ぶりがカギになりそうだ。
清水エスパルスは、脆弱な守備がミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督によって改善されるだろう。しかし、整備には時間がかかるため、序盤は苦しむと予想。横浜FCは前線の積極補強が印象的だが、昨季気になった守備面を整えられれば残留ラインに入るはず。
徳島ヴォルティスは、ロドリゲス監督を引き抜かれたのがあまりに大きい。それに加え、新監督が2月に入っても来日できていないのは、チームつくりにおいて致命的だ。ベガルタ仙台は手倉森誠監督が復帰したとはいえ、ここまでの悪い流れを改善するのは簡単なミッションではない。
サガン鳥栖はつなぐサッカーを一貫してきたが、それを実践してきた主力メンバーが抜けてしまった影響は小さくないだろう。また、福岡大学出身としてはアビスパ福岡を最下位にするのは心苦しいが、戦力的に厳しいのは否めない。外国人選手中心の守備陣で、苦しい展開の時に集中力を保てるかが懸念材料。J1はその隙を見逃してはくれないはずだ。
全体の図式としては、どこが川崎を止めるかというシーズンになるだろう。そのうえで前からのハードなプレスをかける時間帯と、自陣に引いてブロックをつくる時間帯の判断ができるチームが、上位に食い込んでくると予想する。守備の安定感が順位を上げるためのカギとなりそうだ。
坪井慶介
つぼい・けいすけ/1979年9月16日生まれ。東京都出身。四日市中央工業高校、福岡大学を経て、2002年に浦和レッズ入り。俊足を生かしたDFとしてチームの数々のタイトル獲得に貢献した日本代表としても国際Aマッチ40試合出場。その後、湘南ベルマーレ、レノファ山口でプレーし、2019シーズンを最後に現役引退。現在はタレントとして活躍中。
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