スタジアムに足を運ぶ幸せを届けたい!ガンバ大阪が試みる集客戦略 (3ページ目)
「昨年からイベントの数は増えたものの、それが集客につながっているのかわからずに進んでいる印象がありました。その当時から、Jリーグが2017年から導入し、各クラブに提供してくれていた、スタジアム来場者の『顧客データ』を参考にはしていましたが、正直、データが膨大すぎて、それを生かすノウハウも乏しい、という状況にありました。
この『顧客データ』は、スタジアムに来場された方が1人1回しか登録されない仕組みになっていて、実はその数だけを見ると、ガンバはJクラブでトップの数字(約15万人)を誇っているんです。にもかかわらず、それを活かせていないのはもったいないという話になり、この数字を効果的に活用できる方法はないかと考えるようになりました。
そのなかで、メインスポンサーであるパナソニックがスポーツ事業の取り組みに共鳴し、データ分析のスペシャリストによるサポートを開始したことで、今年から本格的に『集客マーケティング』をイベントに反映させることになりました」
ガンバ大阪顧客創造部の部長・山崎美枝氏(左)と、集客イベント・デジタルマーケティング担当課長・竹井学氏(右)photo by Misa Takamura逆算のプランニングによって、
一人ひとりの顧客に
ダイレクトに響く働きかけを実施
『集客マーケティング』を簡単に説明すると、JリーグチケットやQRコードの導入により明確になったスタジアムへの来場顧客データを分析し、集客につなげる取り組みだ。
ガンバ大阪には現在、週に2〜3回、パナソニックからスペシャリストを招聘し、データ分析はもちろん、それに基づいた提案やさまざまな施策を行なっていると言う。
「近年は、デジタルテクノロジーがスポーツ界でも生かされることが増え、Jリーグも2017年にスタジアム来場者の顧客データを把握できるデジタルツールを導入されました。それによって、各Jクラブが来場者の方々の個別のデータを活用できるようになり、私どもはそのデータをもとに、どういうお客様にご来場いただいているのか。リピーターになってくださっている方はどのくらいいるのか。あるいは1回きりの観戦で終わっているのか、などを分析し、それに応じて告知の工夫をしたり、ダイレクトメールの中身を考えたり、といったお手伝いをさせていただくようになりました」(パナソニック担当者)
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