頂上決戦。高校生なのに「大人びた」サッカーの流経大柏はミスがない (2ページ目)
それは技術の高さに裏打ちされた自信があるからだろう。準決勝という大舞台であっても決して浮き足立つことはなく、終始、冷静沈着に試合を進めた。その落ち着いた振る舞いは、"大人びた"と形容してもいいかもしれない。
もっとも、その落ち着きは、言い換えれば"無難"とも見て取れた。
それは、ボールを奪ってからの展開で顕著となる。本田監督が求めていたのはサイドチェンジ。しかし、流経大柏の選手たちはシンプルに同サイドにパスを供給するのみだった。
「奪ったボールをどうつなぐかをやってきたんですけど、今日はダメでした。奪って逆サイドというイメージがあったなか、そのイメージ通りにはできませんでした」
本田監督は穏やかな口調ながら、選手たちのパフォーマンスに、そう苦言を呈した。
狙い通りの攻撃ができなかったのは、矢板中央の対応がよかったことも挙げられるが、選手たちの意識による部分が大きかったと思われる。ボールを奪っても切り替えのスピードが遅く、結果的に人数が揃う同サイドへの展開が多くなってしまったのが原因だろう。
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