J3転落で地獄を見た大分トリニータが、V字回復に向かっている理由 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「相手のプレッシャーをはがすことができても、そこからの(攻め切るプレーの)クオリティーに課題がある。アタッキングサードでの判断はもう少しトレーニングから(高めるように)やらなければならない」

 人数をかけて守備を固め、一発のカウンターを狙う。そんな現実的な戦いで勝ち点を重ねることも、選択肢としては当然ありうる。だが、目先の勝ち点にこだわるばかりでは、未来に光は差し込まない。

 過去、大分は2008年にJ1で4位という最高成績を残し、同じ年にはナビスコカップ(現ルヴァンカップ)も制すなど、輝かしい実績を残している。GK西川をはじめ、FW金崎夢生(鹿島アントラーズ)、DF森重真人(FC東京)、MF清武弘嗣(セレッソ大阪)など、大分出身者が現在のJ1各クラブの主力を担っていることも、その実績に彩りを加える。

 ところが、2009年にJ1で17位に終わり、J2降格。2012年にJ1昇格プレーオフを勝ち抜き、翌2013年に一度はJ1に復帰するも最下位に終わり、J2に逆戻り。すると、2015年にJ2で21位に終わり、町田ゼルビアとの入れ替え戦にも敗れ、J3まで転げ落ちた。大分は現在、どん底からの巻き返しの道中にある。ボランチを務めるMF川西翔太が語る。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る