美しくないサッカーでも勝つ。浦和ペトロヴィッチ監督が決断した瞬間

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 どうも背後が手薄な印象があった。J1リーグ第7節、相性のいい味の素スタジアムでFC東京と対戦した浦和レッズには、立ち上がりからやられてしまいそうな危うさが漂っていた。

ペトロヴィッチ監督は1点リードの後半、戦い方を変えてきたペトロヴィッチ監督は1点リードの後半、戦い方を変えてきた 開始早々にFC東京のFW阿部拓馬にエリア内への侵入を許し、決定的なシュートを見舞われると、その直後にも阿部に右サイドを崩され、FW永井謙佑にシュートを打たれてしまう。14分にFW興梠慎三が先制ゴールを奪ってからは徐々に浦和らしいボール回しも見られたが、攻撃のギアは一向に上がらない。FW大久保嘉人とFWピーター・ウタカという攻撃の2枚看板を欠いたFC東京の拙攻にも助けられ、そのまま1-0で逃げ切ったものの、浦和らしい攻撃サッカーを期待していたサポーターは消化不良のまま帰路についたに違いない。

 試合後のミックスゾーンに現れたMF柏木陽介の表情は、決して勝者のそれではなかった。「今日はいい内容ではなかったし、満足していない。これで勝てるのは強いチームになった証拠だけど、内容はワーストかもしれない。あんまり気持ちよくない勝利だった」

 この日、前節まで首位に立っていたヴィッセル神戸が柏レイソルに敗れたことで、浦和は首位に浮上。本来ならば希望に満ちた勝利となるところだったが、この試合を見るかぎりは今後に不安を残す首位奪取となった。

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