「マイアミの奇跡」伊東輝悦は、まだ現役。鉄人の挑戦は終わらない (2ページ目)

  • 望月文夫●文 text&photo by Mochizuki Fumio

「サッカーをするのが面白い。もちろん、好きだしね。年齢とともに衰えはあるし、それは受け入れないといけないことだけど、もう少し(現役で)やれるんじゃないかと思った。今は、ベストなコンディションでやっていこう、という意識しかない」

 本人も語っているように、一瞬のスピードやスタミナなど、往年と比べれば衰えている部分は多々あるだろう。それでも、経験豊富な伊東に対するチームの評価は極めて高く、吉田謙監督はこう絶賛する。

「(伊東が)すごいと思うのは判断力。ここはパス、ここはドリブル、ここは(攻撃の)スピードを上げるところ、という判断ですね。それは感性だと思うけど、(伊東がプロとして)長い時間の中で築き上げてきたものであって、そこに間違いはない」

 今季のリーグ初戦(3月18日。第2節vs福島ユナイテッド)を控えた練習の紅白戦においても、伊東は監督が言う優れた判断力でボールを散らし、チームのスムーズなパス回しの中で存在感を放っていた。

 しかし、だからといって開幕戦出場やレギュラーポジションが保証されているわけではない。豊富な経験や実績があっても、それが試合出場へのアドバンテージにはならない。吉田監督が語る。

「選手としては、あくまでもフラットな目で見ている。サービスした目で見たら、本人にも失礼だと思うから」

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