37歳・中村俊輔のキック技術を超える選手は、いまだに現れない (3ページ目)
MF中町公祐の先制点につなげた精度の高いFKはもちろんのこと、巧みにボールを浮かしたDFをかわすパスでMF齋藤学の惜しいシュートにつなげたり、丁寧なインサイドキックでのラストパスでMF遠藤渓太の決定的なシュートをお膳立てしたりと、多くのチャンスを作り出した。
思わぬ暑さとゴールデンウィークによる過密日程の影響があり、さすがに試合終盤は足が止まったが、37歳になってもなお、衰えぬ技術はさすがのひと言だった。
サッカー選手とはボールを扱う技術だけに優れていればいいわけでなく、どれだけハードワークできるかが、特に現代サッカーにおいてはとても大事な要素だ。しかも、ただダラダラと走り続ければいいのではなく、1試合の中で何回スプリント(トップスピードで走ること)できるかも重要な指標となる。それらをこなすためには当然、試合の流れを読む力も欠かせない。
しかし、こうした要素は試合経験を重ねる中で身につけていけばいいことだ。言い換えれば、若い選手が何もかも初めから完璧にこなすことなど期待されてはいない。
それよりも、相手のプレッシャーにもおびえることなく、堂々と持てる技術のすべてをぶつけることこそ、若い選手には求めたい。無難に淡々とプレーしているだけでは決して技術は磨かれない。
中村は若くして、そうした経験を重ねてきた。だからこそ、実戦で使える技術を身につけ、日本サッカー史上屈指のテクニシャンへと成長した。
身につけた技術はさびつかない。今なおピッチに立ち続ける中村俊輔が、その事実を証明している。
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