反省が前提です。サガン鳥栖・豊田陽平が語る今シーズンの裏側

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 田村翔/アフロスポーツ●写真

「後半途中ですかね。踏み込んだとき、おかしいな、というのはすぐに自分で分かって。でも、時間が経つにつれて違和感が薄れることもあるので、2、3分はプレーを続けたんですが。最後は自分で交代のサインを送りました」

 後半20分頃、豊田は右足もも裏に違和感を覚えている。ドクターが検査する前に、内出血した状態で肉離れであることは予想できた。あとはMRI検査で確認した上での程度の問題だった。その治療日数を医師から告げられたとき、“そこまで休んではいられない”と感じた。以前、もも裏の筋膜炎で全治4週間の診断を受けたが、そのときは奇跡的に休まずやりながら治すことができた。他の筋肉部位が異常に発達しており、怪我した部分を補うことができたのだ。今回の症状もひどかったものの、たった3試合休んだだけで復帰を果たしている。

「プロサッカー選手をやっている限り、完全に治るまでなんて待てないんですよ」

 豊田はその心得を語る。

「あくまで持論ですけど、3週間までなら休んで合流しても、プレーする体力を失っていない。でも4週間休んでしまうと、シーズンオフ明けに近い感覚ですね。身体がオフの時のように戻っちゃう。もちろん、怪我をしている間も患部以外のトレーニングはしているわけですけど、全体練習をしていないと、プレーヤーの身体としては完全に作り直しなんですよ」

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