日本代表で香川真司が「らしさ」を取り戻せた最大の要因は?
所属クラブのドルトムントで好調なパフォーマンスを見せている香川真司は、W杯2次予選の日本対アフガニスタン戦(9月8日)でも躍動感のあるプレーを見せてくれた。
アフガニスタン戦でゴールを決めるなど、日本代表の攻撃を引っ張る香川真司 2014年のW杯ブラジル大会後、香川は居場所を失っていたマンチェスター・ユナイテッドから、古巣のドルトムントに復帰。しかし、チームにフィットするのに苦労してコンディションが上がらず、日本代表でも本来のプレーを発揮できないままだった。それが今季は、開幕からアシストとゴールを重ねて、輝きを取り戻しつつある。
そして、イランの首都・テヘランで行なわれた日本対アフガニスタン戦では、香川は前半10分に先制ゴールを決めると、その後はピッチを縦横に動き回って日本の攻撃のリズムを作り出した。
前線のスペースを有効に使い、左サイド、中央、右サイドと自由に動きながらボールを引き出すと、ターンしてからパスを出してゴール前に走り込み、シュートに絡んだ。こうしたプレーこそが、香川本来の姿といえる。
ドルトムントでの香川のプレースタイルは、高い技術力と広い視野で周りをうまく使いながら連動し、味方のゴールを演出するというもの。そのプレースタイルは、「何がなんでもシュートを打つ」というものではない。香川がシュートを打つときは、シュート以外にプレーの選択肢がないとき、あるいは周りがお膳立てをしてくれて、ほぼ確実に決まるときに初めてシュートを選ぶ傾向がある。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。