福田正博が期待する東アジア杯ハリルJの「新戦力」 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

 いずれにしろ、6月のW杯アジア予選のシンガポール戦で「決定力不足」を露呈した日本代表にとって、ゴールをこじ開けられる選手の出現が待たれるところだ。9月に控えるW杯アジア予選のカンボジア戦でも、相手は守備に人数を割いてくることが予想されるだけに、今回招集されたFW陣にはどんな形からでもゴールを決めて、生き残りをかけてアピールしてもらいたい。

 攻撃陣で楽しみな存在が、初選出となった武藤雄樹(浦和)だ。昨年は仙台でそれほど目立った活躍はなかったが、浦和に移籍して今季ここまで9ゴール。ペトロヴィッチ監督のサッカーにフィットして力を存分に発揮している。クラブでは2列目のポジションをつとめ、ドリブルやDFライン裏への抜け出しで攻撃のアクセントとなり、今季の浦和躍進の原動力になっている。

 浦和のサッカーは、選手同士の緻密な連係や連動で攻撃を組み立てるスタイルだが、代表は練習時間が少ないためそうしたコンビネーションを熟成させる時間がない。そのため、個の力で打開しなければならない局面もあり、そうした時に、武藤をはじめ興梠や柏木陽介ら浦和勢がどこまで個の力を発揮できるか興味深いところだ。また、柏木にはフィジカルの強い相手に対して、ボランチとして守備でも通用するところも見せてもらいたい。


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