藤田俊哉×名波浩が推薦「代表で試してほしい国内組FWが5人もいる」 (2ページ目)

  • 小室 功●構成 text by Komuro Isao
  • 高橋 学、益田佑一●撮影 photo by Takahashi Masabu,Masuda Yuichi

藤田 柿谷には、Jリーグで見せているようなプレイを代表でもそのままやってほしいよね。そうしたら、すごく面白いと思う。(柿谷の)ボールの置き方とか、ボールを受けてからの一歩目の(足の)運び方とか、ブラジル代表のネイマールみたいだし、ほんと(代表で)試してほしいよ。ポジションは、2列目ならどこでもいいんじゃないかな。

名波 いちばん前、1トップの位置でもいいよ。

藤田 そうだね。とにかく使ってみて、どれだけできるのか、見てみたい。あと、個人的には、サガン鳥栖のFW豊田陽平にも注目している。足が速いし、力強いし、ヘディングも強い。今、いちばん充実しているストライカーだからね。旬のときに、ぜひ(代表で)試してほしい。

名波 中盤の選手からしたら、豊田みたいなFWが前にいるのはいいよね。ボールの収まりがいいとは言えないけれども、ゴールに直結する動きがすごくいいし、プレイの特徴がはっきりしている。だから、ここに(パスを)出せばシュートを打ってくれそうだな、というイメージが作りやすい。

藤田(自分が)名古屋グランパスにいたときに、(2004年~2006年に在籍していた)豊田とは一緒にプレイしているんだけど、当時はまだ、それほど目立つ存在ではなかった。けれども、名古屋を離れてからすごく成長した。モンテディオ山形、京都サンガといろいろなチームを渡り歩いて、そこで経験を積んで、自信をつけた感じがする。2008年の北京五輪にも出場して、日本の選手では唯一得点を決めている(グループリーグ第2戦のナイジェリア戦。試合は1-2で敗戦。ちなみに、第1戦はアメリカに0-1、第3戦はオランダに0-1で敗戦)。

名波 身長185cmの豊田は高さが注目されているけど、最大の魅力はスピードだよね。第3節(3月16日)の川崎フロンターレ戦でも、ロングボールに反応して敵DFの裏のスペースに飛び出すと、そのままワントラップでシュートを決めた。

藤田 そういうプレイが、豊田の持ち味。頭で(ゴールを)決めるようになったのって、最近じゃないかな。

名波 鳥栖は、昨季J1に昇格したばかりのチームで、決して戦力が充実しているわけではない。それに、今季は15位と低迷していて、チャンスもそれほど多くないと思うんだよね。その中で、昨季は19得点を記録して、今季も(第13節終了時点で)8ゴールを決めて得点ランキングの上位(4位)に名を連ねている。それは、かなり評価されるべきなんじゃないかな。

藤田 マークもきついだろしね。

名波 そう。鳥栖と対戦する場合、相手は「豊田だけを抑えておけば......」という戦い方をしてくるでしょ。それでも、少ないチャンスをモノにして、ゴールを決め切る力があるんだから、本当にすごいと思う。

藤田 ストライカーとして、点をとるべくしてとっている。それが、素晴らしいよ。代表に呼ばれないのが不思議なくらい。

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