藤田俊哉×名波浩が推薦「代表で試してほしい国内組FWが5人もいる」 (4ページ目)

  • 小室 功●構成 text by Komuro Isao
  • 高橋 学、益田佑一●撮影 photo by Takahashi Masabu,Masuda Yuichi

名波 ボランチだったら、広島の青山敏弘を使ってほしい。つなぎはいいし、コンビを組む選手に合わせて(自分の)立ち位置を変えられる。攻撃を組み立てる力も、今の代表のボランチと比べても引けをとらないと思うよ。あとは、浦和レッズの阿部勇樹だよね。昨季、浦和がリーグで3位になれたのは、阿部の存在によるところが相当大きかった。攻守のキーマンとしてフル回転だったから、ベストイレブンに入らなかったことにびっくりしたよ。

藤田(阿部は)以前はずっと呼ばれていたよね。Jリーグに戻ってきたのが問題なのかな......。

名波 浦和でもレベルの高いプレイを安定して見せているんだけどね。昨季、レスター・シティ(イングランド)から帰ってきて、前を向く意識は格段に高まっていたし、ハーフターンして、スパッと前線に入れていくタテパスの質やボールスピードなんか、すごくいいよ。受け手の右足なのか、左足なのか、そこまで細かく気を配ってパスを出しているからね。センターバックもできるし、Jリーグで通算50得点以上とっているように、得点能力も高い。代表にいたら、貴重な存在になると思うよ。

藤田 また、コンフェデレーションズカップの失点数や失点シーンを見ると、最終ラインもこのままでいいのか、ということも、少し考えないといけないんじゃない?

名波 確かに、それはある。そうすると、名前が挙がるのは、闘莉王。今野泰幸とのコンビになるのか、吉田麻也とのコンビになるのか、それはわからないけれど、センターバックのところは人選も含め、改善しないといけないだろうね。

藤田 何にしても、代表チームを強くするためには、Jリーグの選手たちがもっともっとアピールしていくことが大事だよ。そういう底上げがないと、やっぱり活性化していかないから。

名波 そうだね、Jリーグで結果を出している選手には、ぜひともチャンスを与えてほしい。そのうえで、みんなで切磋琢磨して、さらに強いチームになってほしい。我々がなんだかんだ言うのも、「史上最強」チームである今の日本代表に期待しているから。自分たちができなかった夢をかなえてほしいんだよ。

――今回は、本当にありがとうございました。国内外を問わず、所属クラブでの活躍が代表チームにつながっていくのでしょうから、Jリーグを彩る選手たちの進化・成長を大いに期待し、その動向をしっかりと見守っていきたいと思います。

  ◆藤田俊哉(ふじた・としや)
1971年10月4日生まれ。静岡県出身。卓越した技術と高い得点力でジュビロ磐田の黄金期を築いた「天才MF」。日本プロサッカー選手会の会長としても奮闘した。2012年、現役を引退。現在は、指導者ライセンスの取得に励みながら、解説者としても活躍している。


  ◆名波 浩(ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県出身。ジュビロ磐田の司令塔として活躍し、日本代表では「10番」を背負って初のW杯出場に貢献した。引退後はジュビロのアドバイザーを務めるとともに、テレビ朝日『やべっちF.C.』などサッカー解説者として奔走している。

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