田嶋幸三が語るハリルホジッチ解任の真実「信頼関係に問題が生じている。目をつぶることはできなかった」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【監督交代を決断してよかった】

 ロシアワールドカップ後、田嶋は西野に「続投しませんか?」と訊いている。3位で大会を終えたベルギーと、ギリギリの勝負を演じたのだ。就任時に交わした「ロシアワールドカップまで」という約束を書き換えてもいいと考えたのだが、西野は「次は予定どおり、森保で」と答えた。

「あの短期間であそこまでのチームを作ってくれたのは、間違いなく西野さんの功績です。監督交代を決断してよかった、と思っています」

 自らの立場を賭けた戦いを、田嶋は乗り越えた。ロシアワールドカップ後も日本サッカー界の先頭に立ち、東京五輪へ、カタールワールドカップへ向けて、代表チームをサポートしていくことになる。

(02につづく/文中敬称略)

◆田嶋幸三・02>>「なぜ森保監督を続投した?」JFA前会長の答えは...


【profile】
田嶋幸三(たじま・こうぞう)
1957年11月21日生まれ、熊本県天草郡出身。現役時代のポジションはFW。浦和南高3年時に高校選手権を制覇し、筑波大学4年時に日本代表に選出される。1980年から1982年まで古河電工でプレーしたのち、引退して指導者の道へ。西ドイツに留学してB級ライセンス、1996年にJFA公認S級ライセンスを取得し、1999年から2002年にかけてU-16、U-17、U-19代表監督を務める。2002年にJFA技術委員長となり、2016年3月に第14代JFA会長に就任。2024年3月、4期8年の任期を終えた。

プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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