藤野あおば、20歳――WEリーグで増す存在感「得点はしたいし、取らなきゃいけない」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text&photo by Hayakusa Noriko

 そうしたなかでも、高い存在感を示している藤野。彼女の状況把握力、そこから導き出されるキーパス、力技でもゴールまで持っていく局面を見せつけられると、つい彼女の年齢を忘れてしまいそうだが、先日20歳になったばかりだ。

「今、ハマってるんです」とお気に入りのグミのよさを熱弁し、晴れて免許を取得し車に「祖母を乗せることができた!」と微笑み、新しいヘアスタイルを先輩選手たちから程よくイジられている姿は、等身大の20歳の若者である。

 本音を言えば、自らを取り巻くいくつものプレッシャーを楽しむ余裕など、彼女にはないかもしれない。それでも、藤野は「楽しまないと! WEリーグはそういう楽しい場所であってほしい」と言って、顔をほころばせる。

"得意"を増やすために、今日もシビアにボールを蹴る藤野。これからももがきながら、彼女はあらゆる可能性をモノにしていくに違いない。

(おわり)

藤野あおば(ふじの・あおば)
2004年1月27日生まれ。東京都出身。日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属のFW。2022年U-20女子W杯で日本の準優勝に貢献。その直後になでしこジャパンに招集され、2023年女子W杯に出場。グループステージのコスタリカ戦では、男女を通じて最年少記録(19歳180日)となるW杯ゴールを決めた。

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