「三笘薫がMVP」と英国人記者 対戦相手やサポーター、外国人記者が見たバーレーン戦 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【大きな発見だった毎熊晟矢】

 三笘はブライトンの大黒柱で、「ブライトンは両手を広げて彼の帰還を待っている」と言っていた。彼らの意見では、この試合のMVPは、たとえ出番が少なくても三笘。彼らはあらためて、ブライトンが三笘を獲得したことに大いに満足していた。「三笘は日本の心臓であり魂だ」と。

 実際、後半になってゴールを奪われ2-1とされると、日本のパフォーマンスは低下しかけていた。しかし森保一監督はその時すかさず三笘を投入し、日本は蘇った。助けが必要なまさにその最高のタイミングでフレッシュな三笘を入れた、抜群の采配だった。

 バーレーン戦を見て筆者は確証した。森保監督の最大の特長は、特別な戦術でもフォーメーションの妙でもなく、自分が有する選手たちから最高のものを引き出すインテリジェンスなのだろう。バーレーン戦では特に遠藤航と堂安律、そして久保建英から特別なものを引き出した。その意味で彼は本当に偉大な監督だ。

 一方でこれまでと同様、この試合でも日本の課題は守備とGKだった。この大会の日本は、弱いチームが相手でも、1度も無失点で終わっていない。守備の選手には恐怖心が見える。そのため中盤の選手はいつも戻らなくてはいけない。失点をカバーするためにゴールするのはチャンピオンチームのすることではない。

 日本の選手は非常に成熟し、プロフェッショナルであり、ヨーロッパのサッカーに馴染んでいる。それは上田綺世や遠藤、堂安のポジショニングや動きに垣間見えた。これは何を意味するのか。日本はもうかつてのような、よく言えば純粋無垢な、悪く言えば馬鹿正直なチームではないということだ。久保や上田はどうしたらゴールできるのかを知っている。そして森保監督はそれを最大限に利用している。

 そしてこの試合で、筆者の興味を最もひいた選手は毎熊晟矢だった。日本の武器は「監督」「ハイレベルな選手たち、上田、堂安、久保、遠藤......」、そして3つ目が「毎熊」の存在だ。

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