ケガ人率23%「代表招集のリスク」について考える 菅原・上田・伊東・堂安...それぞれの意見 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【ニューフェイスにその座を脅かされる可能性も】

 たしかにそもそも、日本でプレーしていた選手たちが舞台を欧州に移すのは好き好んでのことではある。だからこそ「それは言い訳にならない」と考えているようだ。

「試合には毎回、全部出たいと思います。前(攻撃)はいい選手が多いですし。予選って総合力が大事だと思うんです。この前(10月)は(三笘)薫が来れなかったけど(取材時は三笘の離脱発表前)、(中村)敬斗(スタッド・ランス)が点を取ったりして、そういう誰が出ても(できる)っていうのは大事かなと思います」

 攻撃にいい選手が揃っているとはいえ、"伊東抜き"の今の代表は考えづらい。だが、根本にはこのどこか『好きでやってることなんで』というスタンスは、なんだか肩の力が抜けていていい気がする。

 堂安律(フライブルク)は10月ラウンドの時期に親知らずを抜歯し、計画的に代表活動の参加を見送った。ブンデスリーガ開催中の抜歯はそれはそれでリスクが高いし、11月になれば代表もワールドカップ予選という公式戦が始まってしまう。貴重な中断期を生かしたわけだ。

 だが、10月ラウンド後に板倉滉(ボルシアMG)や旗手怜央(セルティック)がそれぞれのクラブで戦線離脱している様子を目の当たりにしながら、堂安自身は調子を取り戻している。複雑な心境をストレートに明かした。

「代表に行かなかったことによって、コンディションはもちろんよくなってます。ほかの選手についてもケガしたりして、代表に行ってかなりきついんだというのを改めて感じてます。そのなかでもやらなきゃいけないんですけど、ポジティブに捉えながら調整はしてました」

 いくら計画的に不参加していたとしても、ニューフェイスにその座を脅かされる可能性だってある。だからこそ、調整の手を抜くわけにはいかなかったようだ。

 また、ケガの話からは少し離れるが、浅野拓磨(ボーフム)や田中碧(デュッセルドルフ)の所属チームの監督は「代表活動後のリーグ戦で(浅野or田中は)結果を出す」と言っていた。

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