日本代表、W杯2次予選の招集メンバーは? 識者が断じる欧州組「総動員」の愚 (2ページ目)

【1月のアジアカップでも欧州組は絞って】

 繰り返すが、彼らは欧州で日の丸を背負って戦っている。そこで全力が出せるように配慮すべきだ。

 ミャンマーもシリアも、あるいは北朝鮮も、国の情勢を含め、恐れるような実力の相手ではない。代表招集をどこまで絞るか――。その調整は難しいが、少なくとも久保、三笘、鎌田、堂安を全員呼ぶことはないだろう。アタッカーは、守備的な選手よりも心身の負担が大きい。ひらめきや体の切れが要求されるポジションだけに、疲労がたまるとパフォーマンスが簡単に低下する。そこで無理をするとケガにもつながるのだ。

 では、たとえばリバプールのMF遠藤は呼ぶべきか。主将である彼自身は、「(招集の負担を)なんとも思わない」と、発言しているし、ポジション的にも疲労の影響を受けにくい。守備のフィルターとして、ほとんどの危険を質朴なプレーで回避できるし、チームを落ちつかせられる。チームは彼がいれば大崩れすることなく、攻撃陣に新鋭選手が多くなっても、ある程度、力を出させることができるはずだ。前出のアタッカーたちとは別扱いで招集するという判断は十分、あり得るだろう。

 W杯2次予選、日本のメンバーはJリーグ勢を中心に、欧州の一部とMLS、Kリーグ、カタールリーグなどの選手で十分ではないか?

「負けたらどうする?」という不安は残るが、ここで総動員をかけないと戦えないなら、W杯でベスト8以上など夢のまた夢。森保一監督の手腕こそ、問われるべきだ。

 来年1月にはアジアカップが開催されるが、やはり欧州組はメンバーを絞るべきだろう。遠藤を中心に守りを固め、復活を期するモナコの南野拓実らを抜擢するなどし、いわゆるBチームになっても十分に戦える。むしろワントップのポストワークに関しては、国内にいるヴィッセル神戸の大迫勇也や鹿島アントラーズの鈴木優磨のほうが適性はあるのではないか。

 率直に言って、アジアカップのタイトルよりもCLやELを勝ち抜くほうがブランド価値は高い。森保ジャパンは新たなフェーズに入るべきだ。

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