日本代表はW杯2次予選をどう戦うべきか「ベストメンバーを崩して戦うべき」識者4人が提案する (4ページ目)

 一方で、サウジアラビアでの開催が決まっているシリアとのアウェーゲームは、比較的ヨーロッパからの移動時間が短く、時差も小さいのだから、ヨーロッパ組中心にチームを編成するチャンスとなる。ミャンマー、北朝鮮とのアウェーゲームが中東開催になるならば、それもまた同様だ。

 つまり、11月の2試合(16日・ミャンマー戦/日本、21日・シリア戦/サウジアラビア)に関して言えば、ターンオーバーの2チーム制で臨むことも考慮すべきであり、大量のヨーロッパ組を日本に集めてコンディションが整わないまま試合をさせ、その後サウジアラビアへ向かわせる、などという強行軍は避けるべきだ。

 誤解を恐れず言えば、特定の選手に負担をかけることなく、多くの選手をうまく活用して6試合をやり過ごす。その結果として、新戦力発掘につながれば言うことなし。

 ワールドカップ本番までの限られた実戦機会であることは承知の上で、それが2次予選で目指すべき現実的な戦い方ではないだろうか。
(つづく)

プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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