「久保建英がベストプレーヤーだったことは間違いない」スペインの名指導者が分析したサッカー日本代表のチュニジア戦 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

【積極的なプレーが目立った日本の選手たち】

 前半の半ば、日本は久保がトップ下で自由にプレーするようになって、4-2-3-1というフォーメーションで本来の攻撃力を発揮し始める。久保がライン間でボールを受け、下がってパスを出し、攻撃に幅と奥行きを与える。明らかにプレーが活性化した。

 43分、久保はゴール正面で守田のパスを受け、近くの旗手にパス。旗手のパスが相手に当たって古橋にこぼれ、グラウンダーのシュートが決まった。僥倖だったが、攻めかかった結果だ」

 1-0とリードした日本は、後半に入るとさらに攻勢を強めている。エチャリはその姿勢を評価した。

「チュニジアは反転攻勢に出ようとラインを高くしてきたが、日本はそれを跳ね返すだけの力があった。前半途中からと同じく、久保を中心にした攻撃で、ペースを与えていない。選手ひとりひとりに、今や自信があるのだろうか。積極的なプレーが目立った。

 たとえばゴールマウスに抜擢されたGK鈴木彩艶は、果敢に前に出て守っている。やや不安定なプレーもあって、成熟は必要だろう。しかし、これまでの日本人GKと比べても積極的なゴールキーピングが目立った。

 後半24分、左サイドで交代出場の浅野拓磨が巧みなボールタッチを裏に出し、それを拾った久保が一気にドリブルで前進している。この瞬間、日本は交代出場の上田綺世が突っ込んでラインを下げると、久保は狙い澄ましたようにスペースに入った伊東へパスを流し込む。走り込んだ伊東は難なくゴールに蹴り込んだ。

 2点目も、すばらしいコンビネーションからのゴールだった。これで試合は決した。

 終盤、日本はチュニジアに攻め込まれてしまい、ポストを直撃するシュートも受けた。しかし6人もの交代があって、オープンな展開になるのは是非もなかった。失点を浴びなかったことが、収穫と言えるか」

 そして最後に、エチャリは試合を次のように総括している。

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