駒野友一が忘れられない「あれ」...松井大輔がずっとそばにいてくれた「今は、お前のせいだと言われますけど(笑)」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 今、コーチとして子どもたちに対して言っているのは、失敗したあとに下を向くのではなくて、常に前を向いていてほしい......ということ。失敗したことで臆してしまうのではなく、失敗しても積極的にプレーしてほしい。失敗こそが成長につながっていくわけですから」

── 個人的にはもうひとつ、FC今治での引退セレモニーが印象的でした。あのような手紙(※)を読める、いいお子さんを育てられたなと。

※=2022年ホーム最終戦となったAC長野パルセイロ戦後の引退セレモニーで、家族を代表して長男がサプライズで手紙を朗読した。

「僕ではないんです。ジュビロを離れてからは5〜6年単身だったので、僕自身はそんなに息子と接していたわけではないんですよ。奥さんがしっかりと育ててくれました」

── あのセレモニーの動画はかなりバズりました。

「そうなんですよ。でも、息子の手紙のことはよく言われるんですけど、あの場で話した自分のコメントには一切触れられないという(笑)。もう、子どもの脇役ですよ。僕らしいと言えば、僕らしいですけど(笑)」

(つづく)

◆駒野友一が語る「忘れられない5人」>>「驚きの連続」「僕はバチバチでした」「なんだ、この選手は!」


【profile】
駒野友一(こまの・ゆういち)
1981年7月25日生まれ、和歌山県海南市出身。中学3年時に広島に転校し、サンフレッチェ広島ユースから2000年にトップチームへ昇格。プロ2年目からサイドバックで活躍したのち、2008年にジュビロ磐田へ移籍。その後、FC東京→アビスパ福岡→FC今治でプレーし、2022年に現役を引退する。2004年アテネ五輪、2006年&2010年ワールドカップに出場。日本代表・通算78試合1得点。ポジション=DF。身長173cm、体重70kg。

プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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