駒野友一が忘れられない「あれ」...松井大輔がずっとそばにいてくれた「今は、お前のせいだと言われますけど(笑)」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

── オシム監督の教えで覚えていることはありますか?

「オシムさんは直接、選手のことを褒めないですけど、いいプレーをすれば、ベンチの前でコーチ陣に対して『今のはよかった』という感じで表現しているんですよ。それがオシムさんなりの褒め方だったと思うし、オシムさんの本に僕のことが書いてあったのもうれしかったですね。

 期間は短かったですけど、一緒にできたことは本当によかった。あのまま続けていたらどんなチームになっていたのかなと、今でも思います」

── では、最後の5試合目を教えてください。

「2013年の東アジアカップです。試合というよりも、この大会でキャプテンを任されて、初優勝したので印象に残っています。

 僕自身、しばらく代表に呼ばれなくなっていたんですが、国内組で臨むこの大会で久しぶりに選ばれました。たしか、通訳から電話がかかってきて、キャプテンをやってほしいと言われました。

 キャプテンも光栄ですけど、翌年のワールドカップに向けて、もう一度メンバーに食い込んでいくためにはこの大会が大事だなと思っていたので、印象に残るプレーをしないといけないなと考えていました。ただ、アピールも大事ですけど、若い選手も多かったので、考えることはすごくありましたね」

......【日本vs中国「3-3」/2013年7月21日/東アジアカップ】
......【日本vsオーストラリア「3-2」/2013年7月25日/東アジアカップ】
......【日本vs韓国「2-1」/2013年7月28日/東アジアカップ】

── キャプテンとして、どのような立ち振る舞いを見せたのでしょうか。

「代表でキャプテンをやるのは初めての経験でした。若い選手と言ってもJリーグでバリバリ出ている選手たちなので、まとめるというよりも、自然にやらせるほうがいいのかなと。

 この大会で日本は優勝したことがなかったので、キャプテンになったからには『優勝のために何ができるか』ということを、ずっと考えていました」

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