三笘薫の高速ドリブルを可能にするトレーニング法をフィジカルトレーナーが予想 スピードが匹敵する「元日本代表」の名前も挙げた (2ページ目)

  • Text by Sportiva
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【子供たちには「二重跳び」を推奨】

――そういったチームと対戦するのは大変ですね。

吉原 さらに「空間認知能力」と「判断力」に優れた三笘選手は、ドリブルする際に最終的な目標を決め、そこから逆算をしてストーリーを組み立てながらプレーしていると思います。

 1対1のシーンでどういったフェイントで相手を抜き去るか、だけではなく、その後にどのような展開に持っていきたいのかも瞬時に考えているのではないかと。対戦選手はそのストーリーを崩しにかかりますが、三笘選手はその度に別の選択肢を選び、スピードと瞬発力で相手を置き去りにすることで、チャンスを演出することができているのではないかと思います。

――それを可能にしているのがプライオメトリクストレーニングというわけですね。

吉原 ただ、こうしたトレーニングは身体全体にかかる衝撃が強いので、トレーニングを行なう目的と理由、適切な強度、評価を正確に理解できている人のみが教えるべきです。特に成長期の子供などに対しては、負荷を下げて慎重に行なう必要がある。動画や書籍などを見ただけで、安易にトレーニングを行なったり教えたりすると、ケガにつながるので気をつけてほしいです。

――成長期の子供たちでもより安全に取り組めるトレーニングはないでしょうか。

吉原 もっとも取り組みやすい、遊びながらできるトレーニングは、縄跳びの「二重跳び」だと思います。二重跳びは、地面と足裏が接地している時間が短いほど、一定のリズムで長く跳び続けることができる。この動作は、プライオメトリクストレーニングを修得する上での基本になります。

 同じ位置で跳ぶ二重跳びに慣れたら、無理のない範囲で前後左右に跳んでみる。そうすると空間認知能力や判断力も磨くことができるようになると思いますよ。

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