AIでサッカーを変える! 東大卒のキックコーチ・田所剛之の最終目標は「デ・ブライネをうまくするレベルまで行きたい」 (5ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【AIを使ったトレーニングサービスに着手】

――そう遠くない未来に実現できそうですか?

 どうですかね。AIを使って体の動きを分析するツールは現時点でもあるんですけど、車の自動運転の歩行者検出とか、あまり分析の精度を必要としないものなんですよね。医療業界でリハビリなどの歩行分析にも使われていますけど、それも応用しきれていないと思います。

 結局、歩いているのを見て、どこが悪いかを判断するのは経験則なんですよ。なぜそれがデータに落とし込めないかというと、データと経験則を行き来して翻訳できる人がいないからだと思います。

 ただ、僕が一番そこに近いところにいると思っているんです。だから自分が積み上げてきた理論をデータで補強して、さっき言ったサービスにつなげていけたらなと思っています。それがうまくいったらキックやサッカーだけにこだわるつもりはないので、例えば格闘技などいろんな競技に広げていけたらいいなと思っています。

田所剛之 
たどころ・たけゆき/2000年8月6日生まれ。高知県出身。東京大学入学後、スポーツバイオメカニクスを専攻、ア式蹴球部でフィジカルコーチを務める。noteでケビン・デ・ブライネのキックを分析した記事が話題になり、4年時には「Kicking lab」を創業して、キックのパーソナルトレーニングをスタート。これまでプロ・アマ含めて1000人以上を担当した。2023年4月に著書『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』(日本文芸社)が出版された。

ミズノスポーツプラザ千住●取材協力

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