清水エスパルスから突如ブラジルに渡った松岡大起は今「いろんな面でタフになる。調整の仕方は日本とは違う」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by ©JFA/PR

 まずは、日本人にとって未知の部分も多いブラジルの全国リーグ、それも2部リーグについて、である。

「案外映像で見ると、結構オープン(な試合展開)に見えたりはするんですけど、実際にベンチから見ると、強度とスピード感っていうのはかなりすごくて。それにグラウンドも、映像ではよく見えたりするんですけど、やっぱり実際に入ってみると結構ボコボコしてたりもあるんでミスも起こりますし、サポーターもすごいところはすごいんで。そういったいろんな面でタフになるリーグだなってすごく感じます」

 2部とはいえ、そこはブラジル。単純にレベルの高いリーグであることは間違いなさそうだが、松岡が肌で感じる苦労はそれだけではないという。

「暑いところだったり、今の時期だとちょっと肌寒い地域もあって、場所によって気候も違いますし、(国土が)大きいので、やっぱり移動がかなり大変で。アウェー続きだと、飛行機でかなり移動して、練習より移動が多いんじゃないかっていうくらい。それなのに(移動がない日は)練習するかと思ったら、試合の前日はスタッフも入ってゲームをして次の日に試合とか、そういうのもあったりするんで(苦笑)。

 そういう(息を)抜く時と、グッとやる時を考えながら、しっかり試合のなかで100%出すために考えないといけない部分がたくさんある。そこの調整の仕方は、日本とはまたちょっと違うなっていうのはすごく感じます」

 サッカーうんぬんの前に、まずはブラジルの習慣に慣れなければいけない、といった様子の松岡。とはいえ、「日本にいた時よりも、もっと力強さをつけないと今後難しいなって、改めて感じるところもすごくある」と話しているように、ピッチのなかで改めて気づくことも多いようだ。

「ボールの奪い方も、今までは(体で)ガツンっていくことが多かったんですけど、足をもっとグッと前に出して奪うところだったり、そういったところは(コーチから)教わったりします。あとは、ボールが浮いてる時や、ボールを持った時の体の使い方ですね。

 でも、教わるところもありながらも、やっぱり自分の感覚が一番だと思うので、そこは自分のなかでうまく調整しながら、どうやったら前に進めるのかっていうのを考えながらやっています」

 ブラジルに渡ってからの苦労を証明するかのように、松岡は移籍後、まだ公式戦での出場機会がない(U-22代表のヨーロッパ遠征参加時点)。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る