ドイツ、スペインに勝ってもコスタリカに負ける――U-22日本代表が抱える課題はA代表と同じ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 そうしたプレー選択の拙さには、試合勘の不足も少なからず影響しているのだろう。

 自らもストラスブールでなかなか出場機会を得られていない鈴木唯は、「自分のところでミスが多かった」と自戒の言葉も口にしつつ、こう語る。

「(所属クラブで)試合に出続けている選手は正直、あまりこのチームにはいない。そのなかでも、もうちょっとみんなが試合のなかで感覚を取り戻してうまくできればよかったが......」

 本来なら、選手それぞれが所属クラブで実戦経験を重ねることによって、相手のプレッシャーにも慣れ、安全第一を優先させるだけでなく、多少のリスクを背負いながらのプレー選択もできるようになっていくものだろう。

 ところが、このチームの選手の多くは、残念なことにその機会を得られていない。大岩監督が語る。

「(所属クラブで日常的に)ゲームにグッと入れていない選手が多いなかで、90分という試合時間をどうマネジメントするかというところを、自信を持ってできていない選手たちも何人かいる。そういう部分では日常が大事なのかもしれない」

 昨秋来ヨーロッパ遠征を繰り返すなかで、チームは着実に戦える集団へと成長してきているのは間違いない。

 だからこそ、鈴木唯が「組織としてはできるんじゃないかなと思うので、個人個人のところで優位性を持ってできれば、全然試合を支配することはできるっていう感覚はある」と話しているように、あとは選手個々のレベルアップというところにフォーカスしていかざるを得ないのだろう。

 日本サッカー(Jリーグのサッカーと言ってもいい)が抱える根本的な課題と、選手個々が解消すべき課題。

 U-22日本代表がもう一歩前に進むため、越えなければならないハードルである。

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