松木玖生「自分がきつい状況に追い込んだ」U-20日本代表、コロンビア戦「エースの不調」と「一番の敗因」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hector Vivas - FIFA/FIFA via Getty Images

 もちろん、同点に追いつく千載一遇のチャンスを逃したこと、すなわち、MF松木玖生がPKを外したことは痛かった。

 松木自身も「きつい状況に自分が(チームを)追い込んだ」と言い、悔しさをかみ殺すように「今日は個人的にすごくダメな試合だったので、次は結果を残す」と続けたように、敗戦の責任を感じているのは明らかだった。

 だが、試合全体を俯瞰すれば、キャプテンのPK失敗は、強く残る印象ほどに大きな敗因とは言い難い。

 やはり、これだけボールを前に運べず、すぐにボールを失って相手の攻撃を受け続ければ、いずれどこかで失点するのは自然な流れ。セネガル戦に続く、二匹目のドジョウを狙うのは虫がよすぎたということだろう。

 とはいえ、言い方を変えるならば、これだけ自分たちでボールを保持する時間を作れず、攻撃がままならない試合を続けながら、2試合を終えて勝ち点3、得失点差ゼロは、上出来だとも言える。

 次の試合でイスラエルに勝てば、順位はともかく決勝トーナメント進出が決まり、引き分けでもその可能性を残すのだから、決して悪くない状況だ。

 山根が力強い言葉を口にする。

「誰ひとり落ち込んでないし、今日のゲームは本当に悔しいが、自分たちは何も終わっているわけじゃない」

 グループリーグ最終戦で対戦するイスラエルは、球際の強さこそあるものの、セネガルやコロンビアに比べれば選手個々のスピードはなく、落ち着いてパスをつないで攻撃を組み立てようとするオーソドックスなチームである。その意味では、日本にとっては比較的戦いやすい相手のはずだ。

 この2試合、なかなか自分たちのよさを出せずに苦しんでいる日本だが、グループリーグ最後のイスラエル戦では本来の"らしさ"を発揮し、是が非でも決勝トーナメント進出をつかみたい。

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