U-22代表レフティ・山本理仁が見据えるパリ五輪、そして夢の海外移籍「オンリーワンのものを追求していけば...」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 チーム立ち上げの前は『熱血系の監督なのかな』っていう印象があったんですけど、戦術のところも細かくやる監督なんだっていう印象に変わりました。自分はそういうサッカーが得意だし、たぶんプレーの引き出しもほかの選手よりたくさん持っていると思うので、そこで自分のストロングを出していきたいなって考えています」

── 昨秋からヨーロッパの強豪国との親善試合を数多くこなしてきて、今年3月のヨーロッパ遠征でもドイツ、ベルギーと対戦しました。

「自分のなかでは手応えを感じた遠征だったし、(このレベルの相手でも)自分も通用するなっていうのを感じられた遠征でした」

── ドイツ戦ではキャプテンを務めました。もともとキャプテン気質ですか。

「いやー、絶対違うでしょ(笑)。ヴェルディのジュニアやジュニアユースの頃も(キャプテンを)やることはありましたけど、キャラ的には絶対に違う。

 でも、自分は声を出すキャラじゃないから、プレーで(リーダーシップを)見せていかなきゃいけない。自分が率先してボールを受けて、テンポを作って、チームに士気や勢いをもたらしたいなっていうことを考えながら、この間(のヨーロッパ遠征)はやっていました」

── ですが、途中出場のベルギー戦で試合終盤に勝ち越された直後、「ひとつチャンスを作ればいいんだから!」と、周りに大きな声をかけていたのは印象的でした。

「代表のキャプテンをやったことで責任感が湧いたのもありますけど、最低限そういったことは言わないといけない。ああいった(負けていて残り時間が少ない)状況では、どうしても前に放り込みがちというか、攻め急いで空中戦という相手の土俵に持っていかれてしまうのは、ありがちなことだと思ったので。

 自分たちのスタイルでしっかり(ボールを)つなぐことができれば、5分あれば絶対にワンチャンスは作れると思ったし、実際、押し込んで作ったチャンスが2、3本はあった。チームが熱くなってしまいがちなところに、自分が冷静さをもたらせたらいいなっていう意味で、ああいった発言をした記憶はあります」

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