京都史上最年少キャプテンは「お前、誰だよ」からのスタート...21歳のMF川﨑颯太は直感で「俺がやるしかない」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

── とはいえ、曺監督の目指すサッカーとの相性のよさは感じていたのではないですか。

「それも徐々に、だと思います。プロ1年目は、取ったボールを(失わないことを優先して)バックパスすることも多かったんですけど、やっぱり取ったボールこそ自分で運んだり、前につけたりしなければいけない。2年目になって、そういうことが段々とできるようになってきました。

 たとえば、ファジアーノ岡山戦で決めたゴール(2021年J2第20節。中盤で引っ掛けたボールを自らドリブルで運び、最後はピーター・ウタカとのパス交換でペナルティエリア内に入り、シュートを決めた)は、1年目だったら絶対になかったゴールでした」

── 昨季は自身初となるJ1でのシーズンでした。どんなことを感じましたか。

「僕が小さい頃、スタジアムやテレビで見ていた選手がゴロゴロいて、とてもレベルが高かったですけど、『自分も全然やれるな』とも思いました。

 ただ、やれるなと思うなかでも、この試合はできたけど、この試合はダメだったっていうの(波のある試合)が多すぎて......。1年間パフォーマンス高くやり続けるのは、すごく難しいリーグだなって感じましたね」

── 昨季は終盤に苦しみながらもJ1残留。そして迎えた今季は、チームの新キャプテンに就任しました。いつ、誰から、どのように伝えられたのですか。

「昨年11月に(U-21)代表のヨーロッパ遠征から帰ってきた次の日がチーム(活動の年内)最終日だったんですけど、その時に曺さんに呼ばれて、『来年、お前にキャプテンをやらせようと考えてる』って言われました。

 それで年が明けて、シーズンが始まる何日か前に電話をもらって、『本当にキャプテンやるか』って聞かれた時に、『やらせてください』って言いました」

── まだ21歳で、周りには年上の選手も多い。難しい決断だったのではないですか。

「そんなに深く考えなかったですかね(笑)。直感で『俺がやるしかないな』って思いました」

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