京都史上最年少キャプテンは「お前、誰だよ」からのスタート...21歳のMF川﨑颯太は直感で「俺がやるしかない」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

── トップ昇格1年目の2020年序盤は、なかなか試合に出られない時期がありました。トップの壁は感じましたか。

「まずは、認められてないな......っていうのが一番でした。僕がプロ1年目の時はコロナでロッカールームがほぼ使えず、練習もグラウンドに集まって、そのままグラウンドで解散。先輩と話す機会もなく、自分を理解してもらうのに時間がかかりましたし、けっこう苦しい時期でした」

── それでも夏にトップデビューを果たすと、徐々に出場機会が増えました。

「一番下からのスタートでしたが、いつかは絶対に出てやるっていう気持ちだけは、ずっと持っていました。

 デビュー戦のアルビレックス新潟戦(2020年J2第13節)は、自分で思っていたよりもかなりいい出来で、そこから監督やチームメイトも自分のことを認めてくれたと思います。スタートダッシュがうまく切れたからこそ自信を持ってプレーできたし、U-19とかの年代別代表(選出)にもつながったのかなと思います」

── 曺貴裁監督が就任した翌2021年になると、川﨑選手はレギュラーポジションを獲得。チームもJ1昇格を果たしました。

「曺さんには最初に出会った時から『お前がもっとチームを引っ張れ。ただ試合に出て満足しているだけの去年からは変わらなきゃいけない』って言われてきました。

 けっこう悩み苦しんだ1年でしたけど、1年間通して試合に出られたのは非常に大きかったですし、それでJ1昇格も掴めた。今振り返っても、自分にとって大きなシーズンだったと思います」

── 充実に見えたシーズンで、どんなことに悩み苦しんだのですか。

「40試合以上出させてもらいましたけど、自分のなかでは、どこかに少し『本当に今の実力でポジションを掴んでるのかな。(将来性に)期待されているから出してもらえてるのかな』っていう気持ちがあって。

 当時は庄司(悦大)さんとか、森脇(良太)さんもいましたし、そういうすばらしい先輩がいるなかで、『果たして今、自分が出るべきなのか』とか、『もしボランチが庄司さんだったら、今の攻撃はもっとうまくいってたんじゃないか』とか、ちょっと考えちゃう時期がありました」

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