京都史上最年少キャプテンは「お前、誰だよ」からのスタート...21歳のMF川﨑颯太は直感で「俺がやるしかない」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

── それがなぜ、ユースへ上がるタイミングで京都サンガへ?

「ジュニアからジュニアユースは、当たり前のようにそのまま上がるもんだと思っていたんですけど、親と進路の話をするなかで、『ただ上がるだけでいいのか。もっと真剣に考えたほうがいいんじゃないか』ということを言われて。

 ジュニアユースの先輩に、山梨学院(高校)や静岡の高校へ行く人がいた影響もあって、ほかの選択肢も考えてみようと思いました。親の希望として、サッカーだけではなく文武両道というのもあったので、その条件でいくつかピックアップしたなかから京都を選びましたね』

── 親もとを離れ、生活習慣も違う関西へ行くことへの不安はありませんでしたか。

「うーん、当時はどうだったんですかね(笑)。家を出ることに関しては大きな決断だったかもしれないけど、関西っていうのはあまり気にしてなかった。むしろ、自分のことをまったく知らない人のなかでやるほうが、自分には合ってるかなと思ってました」

── 実際に京都U-18に入ってみて、どうでしたか。

「もう本当に、メチャクチャ成長させてもらった3年間でした。2個上の財前淳選手とか、1個上の福岡慎平選手とか、毎日、毎日、(年代別日本)代表レベルの選手とバチバチやれたことは、本当に自分のなかでは大きくて。

(甲府から来て)『お前、誰だよ』っていうくらいのところからのスタートだったので、這い上がるのに必死でしたけど(笑)。だからこそ、たくさん成長させてもらえたなと思います」

── その成長がトップ昇格につながった。

「(昇格が決まったという)話を聞いたのは、(高校3年の)7月の後半だったと思いますけど、その時はうれしいというより、驚きのほうが強かったです。

(同期の)山田楓喜とかは高1の頃からトップの練習にも参加していましたけど、僕は高3になってから(トップに)上がれなかった同期と同じくらいの頻度で参加する程度だったので......。『たぶん注目してもらえてないんだろうな』と思っていましたから。大学とか、ほかの進路も考えていたところに突然言われたので、ビックリしました」

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