U-20W杯はどうなる? 不測の事態に直面したU-20日本代表が抱える悩み (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 冨樫監督は、「ふつうは何年もかけて大会の準備をするわけだから、『はい、(代替国が)手を上げました。じゃあ、1カ月後に大会をします』とは、あまり考えられない」と言い、悩ましい胸の内を明かす。

「たとえば、時期が半年後になってしまったら、それまでの期間は(U-20代表は)活動をしない予定だったのが、U-18(代表)の活動をずらす(U-20代表の活動期間を新たに設ける)のかとか、あるいは大岩(剛)監督のチーム(パリ五輪予選を控えたU-22代表)の活動も始まるとかっていうところで言ったら、どう上と下(のカテゴリー)をつなげていくのかも含めて、早く決めてもらわないと何も動けない」

 とにかく、FIFAの決定を見ない限り、どうすることもできないのが現状なのだ。

 しかしながら、裏を返せば、自分たちがジタバタしたところで仕方がない事態でもある。これまでの準備期間においても、コロナ禍による数々の不測の事態を乗り越えてきた指揮官は、泰然自若の体で語る。

「僕らのチームには、強度のあるチームと左右されないチーム(になる)という二大コンセプトがある。そんなことに左右されないし、そういうことで弱い部分を見せないっていうのが、スタッフと選手の合言葉なので。どこも(条件は)同じだから、しょうがない。(FIFAからの)報告を待ちます」

 はたして、今年のU-20ワールドカップは、いつ、どこで開かれるのか。

 昨年のカタールでも、突然のビール販売中止や開幕戦の1日前倒しなど、ありえないような優柔不断っぷりが目立ったFIFAだが、今は悪態のひとつもつきたくなるのを我慢して、とにかく彼らの決定を待つしかない。

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