サッカー日本代表は「かたちだけにとらわれている」 コロンビア戦ではビルドアップができず、何も得られない時間帯も過ごしていた (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【試合を通して敵陣まで前進できなかった】

 日本が24日に対戦したウルグアイは、基本を4-2-3-1としながら、守備時は4-4-2に変形。2トップは日本のセンターバック(CB)の2人にプレスをかけた。そこで日本はボランチの1人が最終ラインに落ちて、3対2の数的優位を作るところからビルドアップを開始した。

 しかし、コロンビアは守備時も陣形を変えず、日本のCBの2人に対しては、1トップの8番がスライドして2対1の状況を受け入れ、その分、日本の両サイドバック(SB)とダブルボランチの計4人を、2列目の4人がそれぞれマークにつくことで日本の前進を阻止しようとした。

 加えて、隙が見つかればインサイドハーフの11番(ジョン・アリアス)と15番(マテウス・ウリベ)のどちらかが前に出て、8番と共に日本のCB2人にプレスをかけた。特に激しいハイプレスを仕掛けてきたわけではなかったが、この使い分けが日本を苦しめた。

 日本が先制した直後の前半5分。日本はGKシュミットと伊藤のパス交換で、伊藤が右ウイングの14番(ジョン・ハデル・ドゥラン)の素早いプレスに慌ててボールロスト。そこから8番、19番、21番(ダニエル・ムニョス)と、立て続けに3本のシュートを浴びたことで、その後はウルグアイ戦同様、ボランチのひとりがCBの間もしくは脇に落ちて3バックに変形するところから、ビルドアップを開始するようになった。

 とはいえ、それで問題が解消されたわけでもなかった。たとえば7分には、鎌田がCBの間に落ちてビルドアップを開始したが、コロンビアが4-1-4-1の陣形のままパスコースをふさいだことで、結局は前進できず。鎌田は11番、菅原も19番のプレスを浴び、最後は菅原がGKシュミットにボールを戻すという場面があったが、この試合を通して、日本はビルドアップからスムースに敵陣まで前進できなかった。

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