「鎌田大地のボランチ起用は?」「4年後に期待できる若手は?」「もし自身が日本代表にいたら?」稲本潤一はすべて正直に答えてくれた (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もちろん、技術はしっかりしているし、ハードワークもできる。何より3人のバランスがすばらしかったですね。

 モドリッチ選手が裏に走ったり、サイドに流れたりするなかで、それを見て周りが動き出して穴を埋めたり、サポートに入ったりする。そのポジションチェンジがスムーズだったので、局面で2対1の状況を作れていましたし、バランスもなかなか崩れなかった。ちょっとレベルが違うなと思いましたし、サッカーをよく知っているなと感じましたね」

── スペインの中盤の3人とは、ちょっと違う感じですか。

「スペインの場合は、基本的に自分たちの形を崩さないですよね。多少可変はしますけど、どちらかというと足もと、足もとにつなぎながら、そこまでポジションを動かさずにゴール前に押し込んでいくやり方なので、実はスペイン戦は比較的安心して見られたんですよ。

 でも、クロアチアの場合は相手を見て形を変えてくるので、対応するのがより難しくなる。やっぱりいろんな引き出しがあるチームのほうが、怖さを感じますね」

── ちょっと気が早いですが、4年後の日本も中盤がカギになると思います。そこに入ってきそうな注目の若手はいますか?

「う〜ん、難しい質問だなあ(笑)。でも、藤田(譲瑠チマ/横浜F・マリノス)君は可能性を感じるかな。そんなに多くのプレーを見たことがあるわけではないですけど、マリノスとか代表の試合を少し見た感じで言えば、ハードワークもできるし、技術もしっかりしている。

 さっき言った、トータル的な能力の高さを感じます。大舞台でも物怖じしない感じもするので、そういったメンタル的な部分も含め、4年後に向けてしっかりと絡んでいってほしい選手のひとりですね」

── 所属クラブや代表でも何度か採用された、鎌田大地選手(フランクフルト)のボランチ起用はどう考えますか?

「やっぱり鎌田選手には、ひとつ前でやってほしいですね。今回は献身的にやっていた分、自分のよさを出すことはできなかったと思うけど、ゴール前で違いを生み出せる選手ですから。

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