ザッケローニが語る日本代表。カタールW杯でグループリーグ突破は「難しいとは思わない」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

調子が上がらない欧州の強豪国

――サプライズチームがあるとしたらどこでしょう。

「クロアチアだね。彼らもまた非常にいいチームだ。それからセルビア。ただし、東欧系の選手にはチームよりも個を優先する傾向がある。それを乗り越えることができれば、彼らは大会の台風の目になり得るだろう」

――その他のいわゆるビッグチーム、フランス、ドイツ、イングランド、スペインについては?

「まさにそれがさっき言った"ヨーロッパ勢はぱっとしない"だよ。彼らはどこも好調とは言い難い。とは言っても、やはりドイツはドイツだから、油断は禁物、侮った途端に足元をすくわれるだろう。ただイングランドに関しては本当に調子が悪いし、スペインは多少混乱しているように見受けられる。それに比べると、やはりフランスは個々の選手のレベルが高いね」

――たとえばキリアン・エムバペ?

「そうだ。彼は今度のW杯のスターともなる存在だ。私としてはもうひとりの次世代のスター候補、アーリング・ブラウト・ハーランドと彼のトップ争いを見てみたかったのだが、ノルウェーは出場を逃してしまった。かえすがえす残念だ。ハーランドは本当にすばらしい選手だよ。彼のような違いを見せられる選手を私はほかには知らない。新生ズラタン・イブラヒモビッチとでも言える、どこへ行ってもゴールし勝利する天性のゴールゲッターだ」

――「あなたの日本」はドイツとスペイン、そしてコスタリカと同じグループです。グループリーグ突破は難しいと見る者が多いですが......。

「いや、私はそうは思わない。2014年W杯の前年、日本は親善試合でオランダ、ベルギーといった強豪と対戦し、どの試合でも日本のすばらしさを見せることができた。そしてW杯本番は、日本が入ったグループはコロンビア、ギリシャ、コートジボワールと、決して難しい相手ではなかったが、実際はうまくいかなかった。

 コートジボワールには2つのクロスから2ゴールを入れられ、我々自身の問題でギリシャにも勝つことができず、コロンビア戦においては4-1の完敗だった。なぜか? それは『W杯』という言葉に皆、怖気づいてしまったからだ。選手たちは、『自分たちには不相応な大きなもの』と感じてしまった。すべては頭の問題、自信の問題だ。しかしカタールでは同じことは起こらないだろう」

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