ジーコが語るカタールW杯。森保一監督に「どうしても伝えたかったこと」とは? (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

ヴィニシウスは最近一番印象に残った

 カタールW杯でのブラジルがどうなるかを簡単に言うことはできない。優秀な選手が多すぎて、いったいどんなチームが出来上がるかもわからないからだ。だが、ドイツ、アルゼンチン、フランスも強いだろうが、やはり何よりブラジルはいいプレーを見せると思う。いい監督に率いられ、違いを見せられる選手たちが大勢いるし、何よりチームで見せるプレーがすばらしい。大会直前のキャンプでもう少しブラッシュアップすることができれば、ブラジルは最大の優勝候補のひとつとなるだろう」

――セレソンの誰に期待していますか。

「頭角を現してきた若手はみなすばらしいが、特に私が期待するのはヴィニシウス・ジュニオールだ。常にバランス感覚に優れ、たったひとりでも、仲間とともにでも攻め上がり、敵を危険に陥れることができる。ここ最近で一番印象に残る選手だ。もちろん他にも新たな世界のスターになれそうな候補はたくさんいる。ラフィーニャ、ロドリゴ、リシャルリソン。つまり、今回のブラジルは才能の宝庫だ。

 ネイマールについても、私は非常に楽観的だ。混乱と批判の時代を終わらせ、ついに本物になった気がする。ここ数カ月の彼は集中力が高く、人の記憶に残るサッカーをしていると思う。多くのアシストをし、なにより彼のトレードマークである美しいシュートを決めている。このW杯が、自分が後世までに名を残すレジェンドになるかどうかの正念場であることを、彼も十分自覚しているようだ。

 今後も彼がピッチで褒めそやされるような活躍ができるように、切に願っている。彼を愛する人のためにも、ブラジルのサポーターのためにも、そしてネイマール自身のためにも。ネイマールは私の友人であり、偉大な人間であり選手だ。W杯期間中、そしてその後も、彼が長らく人々の拍手に包まれることを心から祈っている」

webスポルティーバの大人気対談
「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!

 書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」

 ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。

<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」

【書籍名】 ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話
【発 行】 集英社
【発 売】 2022年11月14日(月)
【定 価】 本体1,700円+税

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