久保建英のアメリカ戦のプレーに違和感。日本代表に波状攻撃がないのはなぜか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu

 繰り返すが、久保は無数のコンビネーションの選択肢があるなかで、最大限の力を発揮する。それも、ゴールが近い位置で際立って異彩を放つ。その点では、レアル・ソシエダのようにトップの一角、トップ下でプレーするのが論理的だ。

 レアル・ソシエダではなく、鎌田のフランクフルトであっても論点は同じだろう。3-4-2-1で攻撃に関与できる選手が多く、プレーキャラクターも適合し、各選手が躍動する。日本代表も、たとえばトップにFW上田綺世、シャドーに久保、鎌田、左右に三笘、堂安という布陣をとれば、リスクが高いかもしれないが、ボールプレーができる選手たちに守備でも力を抜かせないことで、初めてドイツやスペインに太刀打ちできるはずだ。

 今のままでは中途半端で、本大会ではどの選手もよさを出しきれぬままに終わる公算が高い。FIFAランキング14位のアメリカに勝利したが、エースのクリスチャン・プリシッチが不在で、若手主体の1軍半の陣容だった。勝利に酔うのは禁物だ。

 次のエクアドル戦は大幅なメンバー変更が予想される。久保は交代出場か。いずれにせよ彼の真価はこんなものではない。

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