今野泰幸が吐露したブラジルW杯での悔恨。「4年間やってきたものは出しきれなかった」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

無料会員限定記事

 あと、世界のセンターバックは2枚の相手FWに対して、2枚のセンターバックで守る。スペースがあろうが2人で守るし、クロスを入れられても2人で跳ね返す。僕にはその能力がなかった。センターバックとして世界で戦うのは厳しいというのを、ブラジルW杯で痛感させられました」

 4年間地道に、結果を出しながら実力を積み上げてきたチームが、たった1試合で崩壊してしまった。「自分たちのサッカー」という言葉に多少酔っていた部分があったかもしれないが、今野自身は自分たちがやってきたサッカーをブラジルの舞台で発揮できたと考えているのだろうか。

「う~ん、どうですかね......。正直、4年間やってきたものは出しきれなかったです」

 今野は胸の奥に抱えてきたものを吐き出すように、そう言った。

グループリーグ敗退に終わって、がっくりと肩を落とす今野泰幸(左)と長谷部誠(右)。photo by Xinhua/AFLOグループリーグ敗退に終わって、がっくりと肩を落とす今野泰幸(左)と長谷部誠(右)。photo by Xinhua/AFLOこの記事に関連する写真を見る 失意のブラジルW杯から8年の時を経て、今年の11月にはカタールW杯が開催される。日本は、ドイツ、コスタリカ、スペインと同じ「死の組」と言われるグループに入ったが、今野は日本が強豪国相手にどんな試合をするのか、「楽しみ」と言う。そして、日本代表で特に注目しているのが、三笘薫だ。

「すごい選手ですよね。過去(の日本代表に)あんな強烈なドリブルができる選手、いました? 状況を一瞬で、それもひとりで変えることができるじゃないですか。あのドリブルがW杯の舞台で、世界を相手にどれだけ通用するのか、期待感はめちゃくちゃあります」

 過去、W杯2大会に出場してきた今野。ブラジルW杯では主力としてプレーして、完成度の高いチームが1試合で壊れたシーンを目の当たりにした。これから日本がW杯でベスト16の"壁"を超えるには、どうしたらいいと考えているのだろうか。

「W杯で勝つために――ということを考えると、個人の成長も大事ですけど、僕は一番大事だなと思っているのは、監督です。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録よりメンズマガジン会員にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る