JFAアカデミー卒、J2クラブから日本代表入り。加藤聖20歳が徐々に才能を開花させた異色なキャリア (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

---- 体の変化は自分でも感じますか。

「1年目の自分の写真を見ると、『なんか、ちっさいな』って思います(笑)」

---- 加藤選手は左利きですよね。

「はい。ほぼゼロに近いぐらい、右足は自信がないです。基本的に(右足を)使いたくはないなって思っています(苦笑)」

---- 左利きのメリットは感じますか。

「左サイドバックをやるうえでは、ボールの持ち方をとっても、(右利きの選手と違って、体を内側に向けることなく)オープンで持てるか持てないかで全然違うと思うので、そういうところは左利きでよかったなと思います」

---- サッカーの試合を見る時も、左利きの選手が気になりますか。

「同じポジションの左利きの選手に目がいきます。リバプールの(アンドリュー・)ロバートソンが好きで、よく見ています」

---- 今季、J2での出場経験を重ねるなかで、自分の成長を感じるところはどんなところですか。

「守備の強度は、去年よりもだいぶ上がってきているなと思います。攻撃面でも、クロスはもちろんですけど、最近は縦パスの自信も出てきました」

---- 現代サッカーにおいては、サイドバックはクロスを入れるだけでなく、攻撃の組み立て役にもなる必要がありますね。

「縦パスを入れるところとか、(攻撃の)組み立てのところでは、正直まだまだ自分には課題があって、ボールを受けて前を向けるところで(ボールを)下げてしまうことがあります。でも最近、自分の感覚でのことなんですけど、縦パスを入れる時に、相手の守備のこの絞り方だったら(縦パスが)入るなとか、この角度だったら入れられるな、っていう感覚がだいぶよくなってきました。サイドバックから縦パスが入れば、いい攻撃につながると思うし、そういうところはもっと改善していきたいと思っています」

(後編につづく>>世代屈指の左サイドバックは「一級品の左足」で未来を切り開く)

【profile】
加藤聖(かとう・ひじり)
2001年9月16日生まれ、兵庫県神戸市出身。小学生時代はヴィッセル神戸U−12→鹿の子台FCでプレーし、中学進学でJFAアカデミー福島に入団。高校卒業までの6年間を過ごし、2020年にV・ファーレン長崎に加入する。2021年3月にJリーグデビュー。2022年6月にウズベキスタンで開催されたU23アジアカップのU−21日本代表メンバーに招集される。ポジション=DF。身長171cm、体重64kg。

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